ふるさと納税、楽しんでいますか
もう一般的になった、ふるさと納税。
既に実施されている方も多いと思いますが、今回は初歩的なところから。
「仕組みを知らないと、ちょっと怖い」、そんな方に向けた記事です。
そんな記事です。
ちなみに、このタイミングでこの記事を書くのには理由があります。
市民税・県民税の特別徴収税額通知書が通知されました。
年収なんかが書いてある、あの紙ですね。
ちゃんとふるさと納税が反映されているか、住民税の控除を確認することができます。
ゆきたんたんは昨年度初めて確定申告を行ったため、
所得税の還付金は既にもらってますので、市民税の控除を確認しました。
というわけで、今回はふるさと納税の基礎知識です。
これから始めたいという方も、もう始めている方も是非ご一読。
でも、税金のお話なので、面白いお話ではないかもです。
ふるさと納税の概要
ふるさと納税は、地域ごとの税収の格差を解消するために導入された制度です。
地方で生まれ育った方も、就職で都会へ出ていくと、その土地で税金を納めます。
地方側からすると、こうして税収が減少していきます。
また、上京した方の中には、ふるさとのためにできることはないかと思う方もいます。
そうした方々の思いを実現するために、ふるさと納税は導入されました。
ふるさと納税には、三つの大きな意義があります。
- 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。- 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。
それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。- 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。
それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。
控除される税金
ふるさと納税は、選んだ自治体に寄付を行った場合、
寄付額のうち2,000円を引いた額が、寄付額が所得税と住民税から控除される制度です。
控除の上限額は、給与収入(年収)や家族構成によって異なります。
以下は、総務省のHPに記載されているモデルケースです。
例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、 30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が 所得税と住民税から控除されます。
「確定申告」と「ワンストップ特例制度」について
ふるさと納税を実施した場合、控除を受けるために原則として、
ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行う必要があります。
ただし、平成27年4月1日から、確定申告の不要な給与所得者等は、
ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合に限り、
ふるさと納税を行った各自治体に申請することで確定申告が不要になる
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まりました。
「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の違い
「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の違いについて、以下の表にまとめます。
確定申告 | ワンストップ特例制度 | |
---|---|---|
寄附先の数 | 寄附先は数に限りがなく、複数自治体に寄附が可能 | 1年間で寄附先は5自治体まで |
申請方法 | 年に一度、税務署に寄附金受領証明書を確定申告書類と共に提出 | 寄附の都度、各自治体に申請書を提出 |
税金控除の仕組み | 所得税からの控除(還付)と、住民税からの控除(減額) | 住民税から全額控除(減額) |
ワンストップ特例制度を利用する場合には、寄付先の数に注意する必要があります。
同年度内の場合、同じ自治体に複数寄附しても1自治体計算になります。
また、確定申告を実施した場合、確定申告が優先されることも注意が必要です。
ワンストップ特例制度を利用していても、確定申告を行う場合、
再度ふるさと納税について納税している旨を確定申告に記載する必要があります。
所得税と住民税の控除について
所得税と住民税の控除は、確定申告かワンストップ特例制度かによって控除額が変わります。
当たり前の話ですが、どちらを選んでも控除額は変わりません。
以下のケースにおいて、それぞれ住民税から引かれている約2,500円はそういうものだと思って下さい。
住民税の計算は、かなり面倒です…。
私も理解できていない部分が多いです。
確定申告の場合
確定申告の場合は、所得税から控除された後、残りで住民税が控除されるイメージです。
- 所得税
- (ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円) × 「所得税の税率(0~45%)」
- 住民税
- (ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円) - 所得税の還付 - 約2,500円
所得税率の速算表は、以下の通りです。
なお、実際の所得税率は、平成49年まで復興特別所得税として
下記の所得税率×1.021%されたものとなります。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円を超え 330万円以下 | 10% |
330万円を超え 695万円以下 | 20% |
695万円を超え 900万円以下 | 23% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
ワンストップ特例制度の場合
ワンストップ特例制度の場合は、所得税の控除はなく、全額住民税から控除されます。
- 所得税
- 0円
- 住民税
- (ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円) - 約2,500円
特別徴収税額通知書での確認
ここまでで、税金の計算方法についてはある程度ご理解頂けたかと思います。
昨年度実際にふるさと納税をされた方は、本当に控除されているか気になるところだと思います。
ふるさと納税の控除額は、特別徴収税額通知書の以下の欄で確認できます。
(横浜市のケースですので、お住いの市区町村によって多少の違いはあります)
- 市民税
- 税額控除額⑤
- 県民税
- 税額控除額⑤
この合計値が住民税から控除される金額になります。
今年の6月分以降、来年5月分まで控除されているはずです。
確定申告をした場合、所得税の控除は還付という形で4月頃に振り込まれています。 その金額については、特別徴収税額通知書に記載されておりませんので、ご注意下さい。
ふるさと納税は、ただの寄付
ここまで記載した内容を一言で言うのであれば、こんな感じです。
好きな自治体に寄付したから所得税と住民税は減らしてね、手数料的な金額(約4,500円)は差し引いていいから。
つまり、これだけでは全然お得な制度ではないのです。
少なくとも、税制面の優遇はありません。
当初の目的通り、ふるさとに寄付をしたから住んでいる地域の税金が減税されています。
ちなみに、首都圏で税収が減少した地域については、
一部例外はあるものの、国から補助金が出ているため、税収が極端に減らないようになっています。
ふるさと納税を少しでもお得にするために
その上で、ふるさと納税をおすすめするメリットは、以下です。
- 納税した金額に対して、返礼品がもらえる
- 収入に応じて、控除される上限が増える(収入が多い人ほどお得)
- 税金をクレジットカードで納めることができる
ここで初めて、返礼品の話が出てきます。
税金を納めて、品物をもらえる。
それは確かに、お得な制度ではないでしょうか。
還元率に一定の規制が掛けられて久しいですが、それでも品物がもらえるのは嬉しいです。
また、何もしないと給与天引きとなる所得税と住民税について、
自らクレジットカードで決済できるのはポイント還元の意味でもお得です。
ただし、多くのクレジットカードでは、ふるさと納税は還元率が通常より低く設定されています。
ダイナースクラブでも、200円で1ポイントと、わずか0.5%です。
最後に
ふるさと納税の基礎的な部分についてまとめ始めたら、結構なボリュームになってしまいました。
まだまだ書き足りないので、今年のふるさと納税をやりながら、別の記事を作成したいと思います。
ちなみに、確定申告でもワンストップ特例制度でもいいので、
必ず納税したことの申告を忘れないようにして下さい。
毎年一定数の方が申告をせず、文字通り寄付だけをした形となっています。
ふるさと納税は一時期の返礼品競争のブームが過ぎ去ったものの、
まだまだお得を感じられる制度には変わりありません。
ふるさと納税をきっかけにして、NISA(つみたてNISA)やiDeCoなど、
税制優遇のある制度を積極的に利用して、お得に生活をしましょう。
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